特定技能1号から2号へー11産業分野で2024年の2号移行者は約1,600人

2023年11月6日

介護以外の分野は特定技能2号に移行できるようになった

特定技能制度が創設されたのが2019年4月。
特定技能1号の12の特定産業分野のうち、当初は建設分野及び造船・舶用工業分野の溶接区分のみが2号移行の対象となっていました。
が、2023年8月31日、出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野を定める省令等が改正・施行され、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の9分野と、造船・舶用工業分野のうち溶接区分以外の業務区分全てが新たに特定技能2号の対象となりました。
つまり介護を除き、全ての分野で2号に移行できることとなりました。

介護のみ対象外の理由は、既に「介護」という在留資格があり、介護福祉士国家試験に受かりさえすれば介護職種の人は既に日本での永住も視野に入るからです。
R4年の介護福祉士国家試験結果では、EPA人材で65.4%の合格率と、専門用語が難しく合格率は高くないと言われていましたが、そこまでではなさそうです。

厚労省HPより
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32111.html#:~ 

特定技能1号、2号の2023年年6月末現在の人数は?


産業分野別特定技能外国人数は1飲食料品製造業30.8%、2素形材産業20.6%、3介護12.7%と続きます。
では現在特定技能2号の外国人は何人いるでしょうか?
2023年6月末現在12人。全員建設業で7名中国人、5名がベトナム人です。

法務省ー特定技能在留外国人数(令和5年6月末現在)より
https://www.moj.go.jp/isa/content/001402075.pdf

特定技能在留資格外国人の国籍別では56.3%と半数以上を占めるベトナム人が圧倒的に多いです。

同法務省ー特定技能在留外国人数(令和5年6月末現在)より

2024年に特定1号が終わってしまう外国人は何人?

では2024年に特定1号が終わってしまう外国人は何人くらいいるのでしょう?
下記のとおり、新規入国者特定技能1号より在留外国人の方が多いので、圧倒的に技能実習からの変更組が多そうです。
2024年に1,621名、2025年に15,663名、2026年には49,666名の外国人が在留資格上限を迎えます。勿論帰国した人もいるので、実際の人数は若干減るでしょうが、労働力不足の中、人材募集しても日本人は集まりません。基本的に企業は5年勤務し、業務内容も理解しているそれらの人材をそのまま雇用したいと考えるでしょう。

                            2019  2020    2021

在留資格別新規入国者数の推移

在留の資格別在留外国人数の推移

上2つ法務省入管白書2022 https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/seisaku_index2.html

建設業と外食業の特定技能2号要件とは?

建設業の2号要件は以下のとおりです。
①班長としての一定の実務経験(建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験)
②技能検定1級の水準に相当する建設分野特定技能2号評価試験(実施主体:JAC)(又は技能検定1級でも可能)に合格

https://jac-skill.or.jp/news/release/release20230530.php?id=a2
現時点では、特定技能2号の在留資格を得るために必要となる日本語試験の要件はありません。
特定技能2号評価試験については、2023年11月から試験開始することを目指している、とJAC(建設技能人材機構)のHPに記載があります。多分1級試験より易しくなると思われます。

では外食業2号の要件は何でしょうか?


①外食業特定技能2号技能測定試験及び日本語試験N3の合格
②複数のアルバイト従業員を指導監督する接客と店舗管理補助の2年の実務経験

外食2号の試験は2024年1月に予定されています。
企業側の要件として
OTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)に加入もしくは44,000円の登録料、33,000円の年間利用料がかかります。

建設業は特定技能1号でJAC(一般社団法人建設技能人材機構)または賛助会員への加入が必須です。JACは年会費賛助会員で24万円と高く、批判が多かったのか、2023年3月から会社の費用負担を軽くする措置をしています。

2023年3月からのJAC変更点

①5年3月1日以降実施の講習より、従来、各企業様で負担していた参加費:15,400円(税込)をJACが負担
②CCUS(建設キャリアアップシステム)管理者ID利用料(11,400円/年)、1号特定技能外国人の能力評価手数料(4,000円/人)をJACが負担
③一時帰国支援1人1回5万円
④無料で学べる「日本語講座」初級から4レベル

特定技能1号は会社に外国人管理の経験がなければ支援機関を入れる必要がありますが、2号は不要です。それだけ日本に慣れた、自分で賃貸契約も銀行口座契約など可能だろうという判断です。

支援機関とは別にJACやOTAFFなどの協議会加入は2号になっても求められそうです。外国人や企業を適正に管理するために必要な費用なのでしょう。
利用者負担にしないと税金投入という話になりかねないため、利用者負担は正解と思いますが、外国人を採用する費用は決して安くはありません。
協議会に払う費用を賃金UPに回し、日本人の雇用希望者を増やす、という選択肢もあって良いと思います。

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