海抜ゼロから富士山 2021年7月ー①前泊と1日目~前泊熱海の温泉♪ 1日目は暑かった

ー前泊は熱海で温泉♪

富士山に一度は登ってみたい。

そう思うようになったのは技能実習生に日本で何をしたいか効くと、必ず富士山に行きたい、というからだ。

近くにある観光名所には行かないというが、一度は登って技能実習生に何たるかや行き方など教えてあげたい。

そんなとき東京から歩いて富士山まで行く、5泊6日のツアー存在を知った。

江戸時代、富士山信仰が流行り、お伊勢参りならぬ富士山参り、富士講が流行っていたという。

5合目からただ登るのではつまらないと思っていたので、それは良い!と思ったが、ちょっと日程が長い。

そんなとき海抜0から富士山ツアーをすると言う話を聞いたのだ。期間は2泊3日。

1日目 富士川河口から富士山ふもと。ふもと泊
2日目 富士山ふもとから7合目まで。山小屋泊
3日目 1時に山小屋出発しご来光を見て下山。お昼前には五合目着

実質2、5日。これなら仕事にもあまり差し支え無さそう。と申し込んだ。

前泊は熱海。待合わせ時間の朝7時に東京発では間に合わず、熱海始発の電車で初めて間に合うからだ。
熱海はちょうど土砂崩れの被害があったばかりで、宿泊施設がオープンしているか気がかりだった。

熱海以外に泊まることも考えたが、仕事の都合でなるべく東京から近い方が良かった。
宿泊の前日になって被害が無かったことを確認でき、ひとまず安心した。

19時に着くため、熱海の滞在時間は少ない。せっかくの熱海なので温泉だけでも、と山田湯に行く。
山田湯は300円で入れる地元御用達の温泉である。
新しくできた観光客向けの、海と一体感ある温泉も良いが、今回は地元の人が愛する温泉に行きたい。

カラン3つのうち1つがコロナのせいか使用できない。露天はなく湯船は一つ。
だが温まり、熱海に来た甲斐のある良い温泉だった。
海岸沿いの熱海親水公園はライトアップされており綺麗そうだ。
しかし誰も歩いていないので、残念ながら散歩は諦める。

ゲストハウスは海外で2回泊まったことはあるが、日本では初めて。
二段ベッドになっていて、立つこともできない。普段なら避けるところだが、駅に近かったのと、知人が良かったと言っていたため、泊まるだけならと選択した。

幸いコロナで宿泊客が少なく、静かで、共有スペースもゆったり使えた。
エアコンが効いて寒いと言うと毛布も用意してくれ、対応も良かった。

ちゃんと朝起きれるか、7時に間に合わなかったら迷惑をかけるな、と遠足の前の日のように緊張しつつ眠りにつく。

1日目ー 海抜0から22㎞。暑かった

熱海の始発は5時半。朝4時半には起きないといけない。

初めての30 L ザックで、ザックにいろんな紐がついており、腰で締め、肩で調節し、胸で締め、と時間がかかる。重いし背負ったり、下ろしたりするだけで一苦労である。

パッキングの仕方も慣れておらず、いつものバッグなら物の位置も固定され準備に30分もあれば十分なのだけど。
幸い始発に間に合いほっとした。と、ほどなくしてリーダーから遅刻するとの連絡が。

えぇー?!。それなら一本遅らせることができたのに。

この時間本数が少ないため、集合時間に少し遅れて着く電車もあったが、迷惑をかけてはいけないと、大分前に着く方を選んだのだ。
ご自由にどうぞのコーヒーパック、飲みたかったなぁ。

更にアクシデントが。

集合最寄り駅で降りたが、集合場所のゲストハウスがどこか分からない。
Google Mapで近くまで来ているのはわかるけど、肝心の目的のハウスはどこ??。
10分ほどウロウロした後、朝早く散歩していた近所の人を見つけ、漸く場所を探し当てた。

ところが、今度はゲストハウスに誰もいない⁉
目的地に着いたら朝食を食べ、荷物の整理をし、歯を磨いて、と思っていたのに、目論見が大きく外れる。がっくり。

それでも遅れて三々五々人が集まり出発となった。
総勢7名、サポートカーの運転手を入れると8名。うち知っている人は2名。
サポートカーは不要な荷物を積んで、宿泊地まで届けてくれる車。ボランティアで名乗り出てくれて有難い。
車に8人同時に乗れないので、海抜0地点の富士川河口まで2回に分けて行くことになった。

河口について第2陣を待つ。
すでにじりじりと日差しが照りつけ暑い。日陰を探して待つ。

その間にハプニングが!

朝食を買いに行きたいと出て行ったB氏。第2陣の車が着いても来ないと思っていたら、なんと、足をくじいたという連絡が。
「山登りを始めて半年。体調が良くなった」「コンビニまで7分だけど走って3分で楽勝!」と言っていたのに?

しかし、車から降りてきた姿を見ると、外見でもはっきり片足の膝から下が腫れているのが分かる。B氏はどう考えても歩かない方が良いと思うが、余程楽しみにしていたらしく、スタートの海抜0 m 地点に行こうと、ストックを杖代わりに階段を上り始める。
普通なら1分かからず到達できる階段の上に、数分かけて登る。滝のような汗。
0m地点は階段を反対側に降りて海まで行くのだが、それはあきらめ、写真撮影。

残念ながらB氏は写真撮影だけして、リタイアすることになった。
8人もいるといろんなことが起きるのだ。

さぁ、記念すべき海抜0mから富士山登山チームのスタートだ。
B氏はサポートカーに乗り、6人で歩き出す。太陽が暑い。青い夏の空が広い。
川沿いの広い道を6人で横一列になって歩く。「スタンドバイミーみたい」。

初めて会う人も多いため、どこに住んでいるか、仕事は何かなど、話しながら行く。
1時間に1回、コンビニでサポートカーと待ち合わせ休憩する予定だ。
川沿いから梨畑、茶畑を通り静岡在住の1人から川の由来や歴史などを聞いたりする。
土地の人がいると、いろいろ聞けて勉強になる。

朝はあまり食べなかったため、お昼にはペコペコ。
予定していた富士宮焼きそばのお店が、定休日だったため、富士山本宮浅間神社(せんげんじんじゃ)近くの富士宮焼きそばに変更。13時着。

焼きそばでまるでガソリン車のように体にエネルギーが充填されていくのがわかる。
ランナーはマラソン当日、お餅などすぐエネルギーに変わるものを食べるそうだけど、侮っていた。やはり長く運動するとき炭水化物が必要だ。
人心地つき、冷たいお水もレストランで補給させてもらい、また歩く気力が蘇る。

14時。目の前の富士山本宮浅間神社にお参りする。
富士山の噴火を鎮めるために富士山を神として祀ったものだという。
境内にある富士山からの伏流水という湧玉池(わくたまいけ)は、まるで上高地のような水量豊かな綺麗な水が湧き出て泉となり、大きな流れを作っている。
「透明で水草が綺麗」と皆でしばし見とれる。

さぁ、出発。あと1/3。皆疲れてだんだん口数も少なくなってくる。
最後の1時間は緩やかな坂道。ようやく16時頃宿泊地着。
予報では雨だったけど何とか降られずに済んだ。
海抜ゼロの河口から22キロ。1時間遅れの9時出発で7時間。
暑くて汗だくだく。皆口数少なくグッタリしている。
食事はいいから早く横になりたい。お風呂に入りたい。

30分休憩したら、食べに行っても良いかなと思えるほどには回復した。
お風呂はこれから沸かすということで、先に食事に行くことに。
こちらも事前に調べたお好み焼きが定休日で、急遽中華料理に。
が、これが大正解。レバニラ、マーボー豆腐、酢豚定食など本当に美味しかった。
もう外で食べるのも面倒と思っていた、その疲れを吹き飛ばすような美味しさだった。

明日以降の食事やお水も調達しないといけないと、スーパーに寄る。
買うのは明日の朝とお昼、1.5日分のお水。2日目(明日)の夕食と3日目の朝食は山小屋で出るが、何と山小屋に洗面所はなく、お水はペットボトルを買うしかないという。
そして上にいけばいくほどペットボトルは高くなる。
尾瀬で泊まった山小屋にはお風呂も洗面所もあったけど、富士山は水が貴重なのだ。

500mlの水は既にあるので、あと1L あればいいけれど、1Lのお水のペットボトルが売っていない。
1 L の炭酸水ならあるが、それでは水分補給にならないだろう。
2Lでは重いしと迷っていたら、同行者が2Lを購入。
少なくて後悔するより多くて余った方が良いか。減って徐々に楽になるしと、同じく2 L のお水を購入した。

宿泊施設に着いたら、ちょうどお風呂の支度ができていた。大きなお風呂でお湯に浸かると疲れが溶け体がほぐれていくのがわかる。
明日はお風呂に入れないが昨日は温泉、今日もお風呂に入り、明日は高度的にも天気的にも汗を沢山かくことは無さそうなので、大丈夫だろう。

寝る前にリーダーの持ち物チェックタイム。
全員の靴下、防寒着、雨具をチェックし、持っていく荷物とサポートカーに預ける荷物を振り分けてくれる。
サポートカーに預けた荷物は3日目の合流時に受け取れる。

レインウエアといえば歩いている時の汗や中の湿気を外に出してくれるGORE-TEX が有名だけど、「GORE-TEXは防寒着としては使えないんですよ」とリーダー。
「山小屋で寒くてGORE-TEXを着て寝る人がいるけど、暖かい空気までも外に出してしまうので、防寒着にはならない」
GORE-TEXを買わなくて良かった。高くて買えなかっただけだけど。

ちょうど腰を先週痛めたばかりで、長時間歩くのは得意なのに疲れ具合が半端ない。
栄養補給が上手くできなかったのも体力を奪っているようだ。
この分では動けなくなる可能性もあるかもと、念のためにYamap保険に入って寝る。

Translate »