ネパール人コックさんの3つの悩みー社会保険、日本語、子供の教育

ネパール・インド料理店は今ではあちこちで見られるようになっており、ランチにカレーを選択するのはごく一般的になっています。
私もチーズナンは大好きです💛し、いつも行くお店のコックさんはいつもにこやか。
しかしコックさんにいろんな悩みがあることは知られていません。

ビゼイ・ゲワリ氏著 「厨房で見る夢 在日ネパール人コックと家族の悲哀と希望」では
ネパ―ルのコックさんは言葉、教育などの問題に直面しているようです。

私のネパールのお客様社長たち(カレー店経営)は社員を家族のように遇しているので、私もあまりコックさんの悩みを実感したことはありませんでした。
が、最近実感することがありました。

日本にいるコックさんを雇いたいが、コックさんの在留資格更新が不許可になった。助けてほしい、という社長からの依頼がきっかけです。

短い期間に転職を繰り返しているコックさんでした。コロナのせいもあります。コロナのせいで客足が落ちたからやめてくれ、と言われたそうです。
「技能」の在留資格を持つコックさんは、コックさんしかできないので、一生懸命求職活動をしても飲食店に自粛要請が出ている時は職を見つけるのは難しかったでしょう。

それでも何とか持ちこたえて、次の職場を見つけた時は退職してから3カ月以上が経っていました。
でも日本にいる外国人は3ヶ月以上その在留資格の仕事をしていないと、在留資格取消しの対象になります。
そこで新しい採用主が、無職が長いと入管の許可がおりないから別の会社に勤めていた事にしようと、嘘の職歴を追加してしまったのです。

大抵のネパールのコックさんは書類を作成してくれるネパール人の業者のような人に書類作成を依頼するそうです。なのでコックさん自身は自分の経歴がどうなっているかよくわからず、よくわからないけれども許可が出ればいいやと思っている節があります。

コックさんがこのようになる原因は以下だと思います。
1 コックさんは社会保険に入ることを嫌がる。自分の手取りが減るから。
→雇用保険の対象とならない

2 日本語が話せる人が少ない
厨房にずっといるから話せないのかと思っていましたが、オーナーがコックさんは日本語が話せない方が御しやすい、転職もしないということで話す機会を上げないという側面も。
→いろんな情報が入らずオーナーの言いなりになる
→子供の教育にも悪影響
 親が日本語を話せないため、子供の宿題や学校の連絡などを見てあげることができずこどもが学校の勉強についていけない

オーストラリアの統計では英語を話せる移民の方が英語を話せない移民より所得額が高いという結果が出ています。
また日本がバブル期に大量の日系人をブラジルやペルーから労働力として呼び寄せました。
が、バブルが崩壊したら日本語が喋れない日系人が多かったため、転職がままならず、
本国に帰還せざるを得なかったこともあります。
また日系人のこどもがやはり日本語が話せず、学校についていけずたむろして良い仕事も見つからず、悪い仕事に手を染める、という悪循環も問題になりました。

従って、語学はその国に定住し、給与を上げていくためには必須と言えるでしょう。
そしてネパールの子供が第2の日系人になるかもしれない現状があります。
もしあなたの近くに外国籍の子がいたら、あるいはインド・ネパールカレーを食べるときに
そんな実情があることを少し考えてみてもらえると嬉しいです。

ネパールの子が単に日本を通過するだけの人になるか、悪に染まってしまうか、あるいは日本の貴重な労働力になるか、は私達も決めるのだと思います。

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